青葉の杜 美術館

青葉の杜HARMONYの各事業所に通う子ども達の中には、創造性、芸術性、特定の学問、運動能力等にキラリと光る才能をお持ちのお子様も少なくありません。私どもはそうしたお子様達の成長に寄り添い、さらに才能が育まれるよう、各方面の専門家のご協力を得ながら活動を続けています。

この「青葉の杜美術館」はそうしたお子様達の作品のほんの一部を紹介するスペースです。お子様達の励みに、そして社会へ情報発信する事により、少しのさざ波が立つことを祈念致します。作品についてご興味がございましたら、是非、青葉の杜本部までお問い合わせください。

中美優太さん

中美優太(なかみ ゆうた)さん
2005年6月生まれ。青森県八戸市出身。聴覚障害。
Harmony白銀に通所。
小さいころから、絵画や工作など様々な創作を得意とし、流行しているものをうまく取り入れながら作品を作り、ユーモアあふれる作風で楽しませてくれる。
小学生の頃にトレーディングカードが好きな友だちのためにオリジナルのカード作りを開始。これまで1200枚以上のカードを作ってきた。
その圧巻のボリュームと一枚一枚に込められた熱量は見る人をいつも釘付けにしている。

【推薦者:YAMさんからのコメント】
僕が初めてゆうたくんにあったのは彼がまだ小学生の時だった。ハーモニーの創作活動の時間にゆうたくんが描く絵はアニメや漫画のキャラクターだったり、写真をもとにして描く人物像だったり、ちょっぴりおどろおどろしい絵もあったけど、どれもがしっかりと対象の特徴をつかんで描かれていた。そしてある日見せてくれたのがこれらの「ゆうたカード」だった。ゆうたくんのイマジネーションが生んだ様々なキャラクター、それらの特徴や得意技、弱点・・・などなどがビッシリとカードに書き込まれている。しかもそれらのキャラクターの出どころは広範囲に及んでいてトンチやダジャレからエンタメ、文化、政治、社会風刺まで飛び出してくる。しかも・・・しかもである!こんなカードが10枚とか20枚とかじゃない!!「ゆうたの大事なもの箱」の中にビッシリつまっているんだ。おそらく1000枚を有に越えているはず。つい先日、高校生になったゆうたくんに久しぶりに会った。うれしいことにカード作りはまだ続いていた。字が上手になったことと、線がしっかりしたこと、そしてもちろんゆうたくんの成長がカードに箔をつけた。これからのゆうたくん、僕はますます楽しみです。

長濱哲哉さん

長濱哲哉(ながはま てつや)さん
2005年 4月生まれ。山形県山形市出身。自閉症。
10歳頃にアイスを手にした自分の絵を描いた事をきっかけに、自身が体験したことや伝えたいこと、やってみたいことを絵で表現するようになる。
2016年から2021年現在までHarmony山形に通所。支援学校高等部に在学し、Harmony山形に通所されると楽しそうに絵を描いている。

【推薦者:Art in Lifeチームからのコメント】
てつや君は、想像の世界に自分を当てはめながら作品を作り上げていく。
見たものや、経験したことに関係したものを一つ一つ結びつけ、言葉を口にしながら手を動かしていく。
配色はおきまりの油性ペンがお気に入り。
てつや君はとても優しい性格で、彼が作品を描いているときには自然と友達が集まってくる。
Art in Lifeチーム 鏡 菜花

小野寺一真さん

小野寺一真(おのでら かずま)さん
2002年7月生まれ。岩手県一関市出身。
自閉症スペクトラム・知的障害。
4歳の頃から療育教室に通う中、お絵描きなどの図画工作において色使いや造形などに独特のセンスを発揮。
2017年から2021年にかけてHarmony一関に通所。支援学校高等部卒業後、地元の社会福祉法人 花泉さくら会さくら園に通う傍ら、現在も創作活動を続け表現の幅を広げている。

【推薦者:菅原先生からのコメント】
〈かずま君の造形〉
かずま君は普段笑わない。不思議な生きものの絵を描く。色を塗る時に太字ペンを使うように指示するのだが、かずま君は必ず細ペンを使って克明に塗る。輪郭からはみでることはない。時間をかけて丁寧に切りとり、完成した時「ニヤリ」と笑う。

〔山形エリア推薦者〕
東北芸術工科大学講師
有賀三夏先生

画家、アートセラピー研究者。女子美術大学大学院洋画卒業。ピッツバーグ州立大学 Master of Arts 修了。レスリー大学大学院 Interdisciplinary 学部 Art Therapy and Healing Art studies in Education 修了。2009年よりハーバード教育学大学院・多重知能理論研究プロジェクト・ゼロに参加。明治大学・死生学・基層文化研究所研究員、明治大学・サービス創新研究所研究員、武蔵野学芸美術教育研究所研究員。O-1米国卓越能力保持者ビザ認定アーティスト(2009年~)。作品所蔵・佐藤美術館など。
有志学生たちと活動している「Art in Life」では、動画配信や多方面でのワークショップ開催、また各種アートイベントのサポートなどを行っている。米国ボストン・チルドレンズミュージアムでの作品制作や展示にも参加している。

HARMONYでは子供たちと大学生(Art in Lifeチーム)の架け橋として放課後等デイサービスでの学生ボランティア活動に参加ご協力をいただいている。

著書:「私だけの魅力をつくるアートセラピー・ノート」(大和書房/2019)、自分の強みを見つけよう〜「8つの知能」で未来を切り開く〜(ヤマハミュージックメディア/2018)など。

Art in Lifeチーム

「Art in Life」は「人生に芸術をどう使おうか?」というテーマを掲げ、アートが持つ力を利他的に社会と繋げる実践活動を行なっている東北芸術工科大学の学生有志団体です。これまで有賀先生指導の元、多重知能理論※1の学びを通じて、芸術思考※2の実践活動を試みてきました。
活動例としては、地域の小学校や施設に出向いてアートワークショップを行なったり、アメリカのボストンチルドレンミュージアムにて作品展示を行なったり、病院でのホスピタルアートの循環展示などを行なっています。アートの持つ力を使って人や社会に寄り添える作品作りや展示など、幅広い活動を通して日々学んでいます。

※1 多重知能理論とはアメリカの心理学者ハワード・ガードナー教授によって1983年に提唱された「全ての人間には8つの知能領域がある」という理論
※2 芸術思考とは他者や社会に貢献しようという意思の下で人が何かを作り出すときの思考プロセス=利他性

【アートインライフチャンネル】
https://www.youtube.com/watch?v=Jl_uHOR1r_o
https://artinlife.storeinfo.jp/

 

〔青森エリア推薦者〕
YAMさん
(通称)

神奈川県横浜生まれ、平塚育ち。30年ほど前に八戸移住後、サンバをきっかけに保育園、児童館、養護学校等で子どもたちとの活動を重ねる。
現在、小中野のギャラリー&カフェ「ソールブランチ新丁」のスタッフとして展示やイベントの企画に携わり、また「はっち市」実行委員としても活動中。

HARMONYの創作活動においても職員やお子様達の信頼を得て、形態にとらわれない自由な発想空間の時間を演出いただいている。

〔岩手エリア推薦者〕
彫刻家・造形作家
菅原順一先生

山形大学教育学部美術学科卒業。彫刻家として高い評価を受け数々の受賞経歴がある。駒沢女子短期大学保育科准教授として保育士の育成に長年携わる傍ら、保育園・幼稚園の現場でも子どもたちへの造形指導を行ってきた。
現在故郷の一関に拠点を移し個展等創作活動を続けている。

HARMONYのほか各種教育機関・介護サービス施設等でも定期的に指導。「造形おじさん」の名で親しまれている。

作品に関するお問い合わせ

一般社団法人 青葉の杜 Harmony 本部

〒984-0805
宮城県仙台市若林区南材木町17
​TEL 022(393)4277
FAX 022(393)4278